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芝田 米三先生ご逝去。芝田 米三画伯
2006年5月15日胃がんのため、永眠につかれました。(享年79歳)


「馬」「人物」―自然の生命への賛歌(自然美の判定)

洋画家 芝田 米三
日本芸術院会員・独立美術協会会員・日伯美術連盟理事
・京都文化財団理事・金沢美術工芸大学教授


どの街角を歩いていても、甘い金木犀の香がただよい、季節を感じる。晴れた空にはトンボが飛びかい、実りの訪れを告げる。喜びの季節でもある。アトリエで秋の大作に取り組み、日夜の見境も無い脳裏に、ふと人心地がつき自然の変化は安らぎを与えて呉れる。また私の出品作も、その頃ようやく、完成に近づく。
毎年こんな繰り返しをもう何年も続けているが、そのつど不思議に新鮮な感激を味わっている。
人の世界も自然の世界も、その平凡な営みに生命の仕組みの尊さがある。遠い幼い日に感じた懐かしい率直な喜びや、いつしか忘れるともなく見向きもしなかった事など、大切な素朴な心の余裕を、自然の中からいぶく生命の小さな発見に喜びを見付けて行きたく思い、実り唄を画面に口ずさむ。
参考資料:「芝田米三画集」1942〜1980年


年譜
  • 1926 京都市中京区に生まれる。
  • 1939 京都商業学校時代から油絵を描き始め、独立美術協会会員の今井憲一氏の指導を受ける。
  • 1945 陸軍戸山学校の軍楽隊に入隊、終戦を迎える。京都の独立美術京都研究所に入所し、須田国太郎氏の指導を受ける。1947年第15回独立美術展に「紫野」100号が初入選する。京都市展に「雨後」50号が市長賞を受ける。大阪市展に「雪の町」20号と「船岡近郊」12号が市長賞を受ける。独立美術京都研究所の幹事となる。
  • 1950 第18回独立展に「兄の像」40号と「木の間風景」80号を出品、独立賞を受ける。1951年関西総合展に「対岸」80号を出品文化賞を受ける。1953年第21回独立展に「窓辺の静物」80号と「卓上静物」50号を出品、準会員となる。1957年第1回安井賞展に「丘の樹」100号が入選。1958年第26回独立展に「老いた山羊」80号、「太陽と山羊」50号、「雑草」80号の3点を出品、会員となる。1961年第29回独立展に「集」100号を出品、関西独立展に「前進」60号を出品。東京銀座のサヱグサ画廊で個展開催。
  • 1963 第31回独立展に「樹下群馬」200号と「寄る」100号を出品。第7回安井賞展に「樹下群馬」が安井賞を受賞。1974年安井賞展選考委員・日伯美術連盟評議員となる。第42回独立展に「微風」150号を出品。東京銀座のサヱグサ画廊で個展開催。1975年日伯美術展の代表として渡伯、ブラジル芸術協会名誉会員となる。サンパウロ州議会より騎士賞を授与される。第43回独立展に「各々への恵み(ブラジル)」150号を出品。
  • 1976 第15回国際形象派展に招待出品。京都府新人展審査員となる。第44回独立展「春夏秋冬」150号を出品。1979年ソビエト文化省の招待により、モスクワ、レニングラード、スズダリ、ウラジミールの美術館を回る。第47回独立展「まざめる大地」150号を出品。
  • 1981 パリ・ベルネーム・ジュンヌ、バルセロナで個展開催。1982年リオデジャネイロ名誉市民となる。1989年京都府文化賞を受賞。
  • 1993 創立30周年記念展近代の美術(京都国立近代美術館)、京都市美術館開館60周年記念展(京都市美術館)に出品。1994年平安建都1200年記念美術選抜展。恩賜賞、日本芸術院賞受賞、京都文化功労賞受賞、日本芸術院会員に就任。
  • 1999 勲三等瑞宝章受章。安井賞選考委員。

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